ベンゾジアゼピン依存症にCBDは効果がある?断薬・減薬への可能性を医師が解説【2023年最新研究】

✍️ 本記事は、アストラサナ・ジャパンのKOL(Key Opinion Leader)である 正高佑志 医師 の執筆に基づいて作成されています。
CBDや大麻医療に関する最新の科学的エビデンスをわかりやすくお届けすることを目的としています。
なお、本記事の内容は特定の効果効能を保証するものではなく、診断・治療・予防を目的としたものではありません。

目次

ベンゾジアゼピン系薬剤(ベンゾ)とは?

代表的なベンゾジアゼピン系薬剤

「デパス」「ハルシオン」「ソラナックス」「ワイパックス」「メイラックス」などのベンゾジアゼピン系薬剤(以下、ベンゾ)は、日本の医療現場で広く処方されている薬剤です。

ベンゾジアゼピンの作用機序

薬剤名(商品名)主な用途
デパス(エチゾラム)不安・不眠
ハルシオン(トリアゾラム)睡眠導入
ソラナックス(アルプラゾラム)抗不安
ワイパックス(ロラゼパム)抗不安
レンドルミン(ブロチゾラム睡眠導入
サイレース/ロヒプノール(フルニトラゼパム)睡眠導入(中途覚醒・熟眠障害向け、作用が強め)

ベンゾは脳のベンゾジアゼピン受容体に作用し、GABA神経伝達を強めることで睡眠導入や抗不安効果をもたらします。

主な用途は以下のとおりです。

  • 不眠
  • けいれん予防
  • 麻酔前投与
  • 抗不安

効果を実感しやすいのが特徴であり、幅広い症状で使用されています。

ベンゾジアゼピンの副作用と依存性のリスク

一方で、ベンゾには耐性がつきやすく、やめづらいという副作用があります。

項目内容
耐性同じ用量では効果が感じられなくなり、服用量が増えやすい
依存性「ベンゾ漬け」と呼ばれる状態に陥ることがある
離脱症状強いため、断薬には時間と慎重な調整が必要

服用量が増えて「ベンゾ漬け」と呼ばれる状態に陥ることも少なくなく、自己判断での急な中止は危険です。


日本と海外におけるベンゾジアゼピンの処方状況

日本の処方量は先進国トップクラス

日本は先進国の中でもベンゾの処方量が非常に多い国として知られています。

項目データ
日本の成人の服用率約20人に1人が服用していると推計
国内の動向断薬・減薬を専門とするクリニックが登場
処方量の推移依然として高水準

海外の規制動向

海外では、ベンゾの安全性への懸念から規制が進んできた国もあります。

  • イギリス:ハルシオンが1991年に販売停止
  • 各国:長期処方の見直しや減薬ガイドラインの整備が進行

日本でも近年、断薬・減薬を専門とするクリニックが登場していますが、依然として処方量は高水準にあります。


ベンゾジアゼピン依存症とCBD・医療大麻の関係

米国ペンシルベニア州の臨床観察研究(2023年)

2023年、米国ペンシルベニア州(医療大麻合法地域)で行われた前向き観察研究の結果は以下のとおりです。

項目内容
対象不安・PTSD患者 108名
介入医療大麻の使用
観察期間3か月
不安スコア11.2 → 7.4 に改善
ベンゾ服用量減少

この研究は、医療大麻の使用が不安症状の軽減とベンゾ服用量の減少に関連する可能性を示唆しています。

オーストラリアの家庭医調査(2018年)

2018年にオーストラリアで行われた家庭医へのアンケート調査では、次のような結果が示されました。

「大麻とベンゾ、どちらが安全か?」という質問に対し、大麻の方が安全と回答した医師が3倍多いという結果が出ています。

臨床現場の医師が、ベンゾ長期使用のリスクと大麻の相対的な安全性について認識している傾向がうかがえます。

日本での臨床事例

私たち(GREEN ZONE JAPAN/アストラサナ・ジャパンKOL)が実施している聞き取り調査でも、次のようなケースが報告されています。

  • ベンゾ断薬に伴う離脱症状をCBDや大麻で緩和
  • CBDの併用により断薬に成功

特にベンゾが処方される主な症状は、CBDが関連する領域と重なっています。

ベンゾが処方される症状CBDが関連する領域
不安
不眠
けいれん
不定愁訴

CBDは即効性には欠けるものの、継続的な使用でサポート効果を期待できると考えられています。


CBDによるベンゾ減薬の実際の使用の考え方

減薬開始時の推奨アプローチ

CBDをベンゾ減薬のサポートとして利用する場合、以下の手順が望ましいとされています。

ステップ内容
ステップ1少量(50mg/day程度)から開始
ステップ2徐々に増量
ステップ3目的とする症状が緩和された時点で、ベンゾを少しずつ減薬

自己判断による減薬のリスク

ベンゾの減薬・断薬は、強い離脱症状を引き起こす可能性があります。そのため、必ず以下を守ることが重要です。

  • 必ず処方医に相談してから減薬を開始する
  • 急な中止は避ける
  • 体調変化があれば、すぐに医療機関を受診する

CBDは医薬品ではないため、単独でベンゾ依存症を「治療」するものではありません。あくまで医師の指導のもとでの減薬サポートとして位置づけられます。


よくある質問(FAQ)

ベンゾジアゼピン系薬剤にはどのような種類がありますか?

日本で広く処方されているベンゾジアゼピン系薬剤には、以下のようなものがあります。

代表的な薬剤

  • デパス
  • ハルシオン
  • ソラナックス
  • ワイパックス
  • メイラックス

これらは脳のベンゾジアゼピン受容体に作用し、GABA神経伝達を強めることで睡眠導入や抗不安効果をもたらします。不眠、けいれん予防、麻酔前投与など幅広く使われています。


なぜベンゾジアゼピンは「やめづらい」のですか?

ベンゾジアゼピンは耐性がつきやすく、やめづらいという副作用があります。

やめづらい理由

要因内容
耐性同じ用量では効果が感じられなくなる
服用量の増加「ベンゾ漬け」の状態に陥ることがある
離脱症状急な中止で強い離脱症状が出る

減薬・断薬を行う際は、必ず処方医に相談してください。


日本のベンゾジアゼピン処方量は多いのですか?

はい、日本は先進国の中でもベンゾの処方量が非常に多い国です。

日本と海外の状況

  • 日本:成人の約20人に1人が服用していると推計
  • イギリス:ハルシオンが1991年に販売停止
  • 各国:長期処方の見直しが進行

日本でも近年、断薬・減薬を専門とするクリニックが登場していますが、依然として処方量は高水準です。


CBDはベンゾジアゼピン減薬にどのように役立つ可能性がありますか?

海外の研究や日本国内の聞き取り調査では、以下のような可能性が示唆されています。

報告されている可能性

研究・事例内容
米国2023年研究不安・PTSD患者108名で、3か月後に不安スコア11.2→7.4に改善、ベンゾ服用量も減少
豪州2018年医師調査「大麻の方がベンゾより安全」と回答した医師が3倍
日本での事例ベンゾ断薬時の離脱症状をCBDで緩和、断薬成功例あり

ベンゾが処方される主な症状(不安・不眠・けいれん・不定愁訴など)は、CBDが関連する領域と重なっているため、補助的に役立つ可能性があります。ただし、CBDは即効性には欠けるため、継続的な使用が前提となります。


CBDを使う場合、どのくらいの用量から始めるべきですか?

一般的に、ベンゾ減薬のサポートとしてCBDを利用する場合、以下の手順が望ましいとされています。

推奨される手順

  1. 少量(50mg/day程度)から開始
  2. 徐々に増量
  3. 目的とする症状が緩和された時点で、ベンゾを少しずつ減薬

用量・体質・他の薬剤との併用などにより適切量は異なるため、必ず医師に相談の上で使用してください。


日本でCBDはベンゾジアゼピン依存症の治療薬として認められていますか?

現在、日本ではCBDをベンゾジアゼピン依存症の治療として使用することは認められていません。

日本での現状

項目詳細
合法性THC非検出の製品のみ合法
流通形態健康食品、化粧品
医薬品承認なし
治療目的での使用不可

ベンゾジアゼピン依存症の治療を希望する場合は、精神科や減薬専門クリニックで標準的な治療を受けることをおすすめします。

CBD製品を使用する場合は、COA(成分分析証明書)でTHC不検出が確認できる正規流通品を選び、必ず医師に相談してください。


まとめ

ベンゾジアゼピンは短期的には有効ですが、長期使用で依存・耐性のリスクが高まります。CBDや医療大麻は、断薬・減薬の過程で補助的に役立つ可能性があり、海外の臨床データでもその効果が示唆されています。

本記事のポイント

ポイント内容
海外の臨床データ医療大麻使用により不安スコア・ベンゾ服用量の改善が報告
医師の認識豪州の調査では「大麻の方がベンゾより安全」と回答した医師が3倍
日本での事例CBDによる離脱症状緩和と断薬成功例
CBD使用の考え方50mg/dayから開始し、段階的に増量・減薬

現時点での推奨

優先順位内容
1処方医に相談する
2医師の指導のもとで段階的に減薬
3離脱症状のサポートとしてCBDを補助的に検討
4COA(成分分析証明書)でTHC不検出を確認した製品を選ぶ

日本でも適切な研究と臨床応用が進むことで、より安全な治療オプションが広がっていくことが期待されます。


出典一覧

  1. Turna J, et al. Medical cannabis use and benzodiazepine reduction: A longitudinal observational study. J Affect Disord Rep. 2023;14:100597.
    https://doi.org/10.1016/j.jadr.2023.100597
  2. Karanges EA, et al. Cannabis use and attitudes among Australian general practitioners: A cross-sectional survey. BMJ Open. 2018;8(7):e022101.
    https://bmjopen.bmj.com/content/8/7/e022101

この記事の監修者

dr.masataka

正高佑志 医師
アストラサナ・ジャパン KOL(Key Opinion Leader)

1985年生まれ。医師。熊本大学医学部医学科卒。一般社団法人GREEN ZONE JAPAN代表理事&臨床カンナビノイド学会副理事長として、大麻草の安全性や有用性に関する啓発活動に従事。著書『お医者さんがする大麻とCBDの話』など。

専門分野:カンナビノイド医療、精神医学、依存症治療

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この記事を書いた人

アストラサナ広報担当。カンナビノイドをはじめとする健康情報をわかりやすくお伝え。
日本においても欧州水準まで身近にすることを目標に日々頑張っています。

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