本記事は2026年3月7日時点の公開情報に基づいています。詳細については、各公式HP等をご覧ください。
2026年3月4日、カンナビジオールの活用を考える議員連盟総会(通称CBD議員連盟)が開催され、「大麻由来成分CBN(カンナビノール)について」というテーマでCBNに関する考え方や今後の取扱いに関する厚生労働省からの説明と、出席議員や事業者代表等との意見交換が行われました。
本記事では、CBNを取り巻く環境や議論などを紹介します。
CBD議連
2026年3月4日、「大麻由来成分CBN(カンナビノール)について」と題するカンナビジオールの活用を考える議員連盟総会(通称CBD議員連盟)が開催されました。CBD議連とは、2022年6月に設立された超党派の議員連盟で、CBDオイルなどの関連製品に関する法整備を進め、日本国内の健全な市場形成を目指している団体です。
今回開催された議連では、厚生労働省より、2025年10月29日~12月27日に実施されたパブリック・コメントについて、CBNに関する状況と指定薬物の用途に関して、そして、医療用として使用継続するためのスキームについて説明があった模様です。
CBD製品に関する法改正(2025年)
2025年3月、大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部が改正されました。
これにより、CBD製品に含まれるTHC(テトラヒドロカンナビノール)の残留限度値が明確に定められ、THCの含有量が定められた残留限度値を下回るCBD製品については、合法的に取り扱うことが可能となりました。
| 製品形態 | 残留限度値 |
|---|---|
| 油脂・粉末 | 10 ppm |
| 水溶液 | 0.10 ppm |
| その他製品 | 1 ppm |
また、事業者に対するガイドラインとして「CBDオイル等のCBD関連製品の輸入について」が更新されました。ここで、CBD関連製品とは、CBD(カンナビジオール)、CBN(カンナビノール)又はCBG(カンナビゲロール)を含有する製品であることが同時に定義・整理されました。
CBN規制の経緯
なぜCBNが規制対象に?
2025年5月、CBNを含むクッキーを摂取した学生が寮の2階から飛び降りて重傷を負ったとされる事故をきっかけに、CBNの安全性を巡る議論が活発化しました。
CBNとは、大麻草に由来する植物性カンナビノイドの一種で、一般的には精神活性が強くない成分とされています。近年では、抗酸化作用や抗炎症作用、神経保護作用などの可能性が研究されており、その潜在的な機能性から注目を集めています。
また、2024年に実施された「日本在住のCBNユーザー515名を対象とした横断調査(2024年2月収集)」では、回答者の33.8%が健康目的、26.4%がレクリエーション目的、38.6%が両方の目的で使用していると回答しており、不眠、不安、慢性痛などの症状が改善したとする自己評価も報告されています。これらの結果から、生活者が体感としてQOL(生活の質)の向上を感じている可能性が示唆されています。
一方で、このような体感効果があることから、特に高濃度製品の流通については安全性や適切な使用環境を懸念する声も事業者や関係者の間で以前から指摘されていました。
こうした背景もあり、行政側ではCBNの取り扱いに関する規制の必要性について検討が進められることとなりました。
業界自主ガイドラインの策定
事件が発生する以前から、業界内では安全性確保に向けた自主的な取り組みも進められていました。
2025年4月、国内のCBD事業者を中心に、2024年6月に設立された非営利団体「全国大麻商工業協議会(NHIC)」は、CBD製品を取り扱う事業者向けに「カンナビノイド含有食品(CBD・CBG・CBNを含む)に関するガイドライン」を策定・公表しました。
本ガイドラインは、消費者の安全・安心の確保、事業者による倫理的なビジネス慣行の推進、そして業界の健全な発展を目的としており、品質管理、表示、広告表現、流通、販売管理などに関する基準を明文化したものです。業界として自主的に安全性と信頼性を担保していく姿勢を示す取り組みとして位置づけられています。
さらに同年6月には、「CBN製品の責任ある取り扱いに関する共同自主規制宣言」を発表しました。これは、CBN製品が社会から正しく理解され、安心して利用される市場環境を構築することを目的として、業界関係者が共有すべき行動指針を示したものであり、参加団体および賛同企業が連名で責任ある取り扱いに取り組む姿勢を示したものです。
指定薬物としての動き
2025年10月28日、薬事審議会指定薬物部会が開催。本部会では、4物質を医薬品医療機器等法第2条第15項に基づく「指定薬物」として指定することの適否が審議され、全4物質について指定が適当であると決議されました。
薬事審議会指定薬物部会議事録の概要は以下の通りです。
審議対象
- 5-Methyl etodesnitazene(ニタゼン系化合物)
- 4-PrO-DMT(トリプタミン系化合物)
- ortho-Methylfentanyl(フェンタニル系化合物)
- CBN
CBNに関する指摘と議論
- 麻薬であるΔ9-THCと構造が類似
- CB1受容体活性が確認され、Δ9-THCより弱いものの作用を有するとされた
- 動物実験でカタレプシー様無動状態および体温低下作用が確認された
- 文献調査では、CB1受容体親和性が、既に包括指定されている一部の合成カンナビノイドより強いと説明された
- CBNおよび代謝物11-hydroxy-CBNに睡眠や中枢神経系への影響が示唆された
- ヒト文献では、CBN単独50mgで顕著な精神作用は確認されなかった一方、Δ9-THCとの併用で精神作用が強まる可能性が示された
- 国内では、CBN含有を標榜する製品に関連する健康被害が4件報告
- クッキー、グミ、電子たばこ等、広く流通している実態がある
CBNについては、他の3物質と異なり、広く流通していること、また一部の難治てんかん等の患者が使用している実態があることが部会内でも踏まえられました。
そのため、今後の手続としては、
- パブリックコメントを実施
- 使用に必要な手続を周知
- 省令改正手続を進める
という方針が示されました。また、CBNを医療等の用途として定める予定であることも説明されました。
CBN規制を巡る議論
2025年11月11日、上野賢一郎厚生労働大臣は11日の閣議後記者会見で、現在実施中のCBN規制に関するパブリックコメントについて、意見の数ではなく内容を重視して検討するとの一般的な考え方を示しました。
また、2025年5月に発生したとされる山梨学院大学の学生転落事故については、CBNとの因果関係を証明することは困難との認識を示しました。
一方で、厚労省の調査ではCBNが既存の指定薬物と同等の精神毒性を示すデータが確認されたとしており、薬事審議会の答申を踏まえ、現在CBNを指定薬物とするための手続きが進められることとなりました。
疾患に対するCBNの継続使用について
CBNが指定薬物に指定された場合、CBNを含む製品の製造、輸入、販売、所持、使用などは原則禁止となります。
ただし、他に代替治療がない難治性疾患等でCBN製品の継続使用が必要な場合は、厚生労働省へ以下の書類を提出することで使用継続が検討される予定です。
- 医療等の用途に係る報告書
- 医師による診断書
- 関連分野の学会等による意見書
これらの書類は省令公布後約1か月以内の提出が予定されており、継続使用が必要な場合は事前に医療機関で診断書を取得することが案内されています。
*改正省令の公布日は3月中下旬、施行日は6月1日の予定です。
最終確認日:2026年3月7日

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